AO FILED RECORDING GUIDE-8

 すっかり冬になってしまいましたねー。いいことです。海は少しづつですが、空いてきています。昨日も入った場所は4人でした、素晴らしい。先日浜松方面でとても綺麗なところを見つけました。波もとってもきれいで乗りやすかったです。やはり遠州灘はpowerがありますねー。また行ってみたいですね。最近は浜松がマイブームで、美味しいおそば屋さんもあるし(naru)、友達もできたし、良い事づくめです。ツアーをまわってくると友達が増えますねー。これはなによりも素晴らしい事です。

先日はInter BEE2009(国際放送機器展)に行きました。 Fairlight japanのboothでコンパニオンをやってきました。今年はお客さんで行こうと思っていたのですが急遽お仕事をすることになり、3日間通ってきました。今年はこじんまりとした感じのspaceでしたねー。あまり見る暇はなかったですけどねー。

 先月の最後に伊豆大浜でfield実験をするという事を書いておいたのですが、なかなか行けず、ちょっと内容を変更してお届けいたします。波の音には違いがないのですが、ガンマイクを使って距離、向き、角度などを検証し、今後の参考にしていただけたらと実験してまいりました。題して「本当にガンマイクの使い方知ってます?

1、ガンマイクを詳しく調べてみよう!
 さて今回はガンマイクを使って波の音をどのように録音するのかを実験してみます。意外と皆仕事では使っているのですが、はたしてその使い方は本当に合っているのでしょうか?ということも含めていろいろご紹介します。

 
私のマイクはこのようなcaseにはいっています。衝撃にも割と強い物です。明けてみましょう。
 
このようにマイク、ライコート、ウインドジャマー、ホルダーを全部いれてあります。マイクは通常2本いれています。
 
 さて、これが私の愛用するゼンハイザー社のMKH-415Tです。もともとは12V T電源で動くものだったらしいのですが、まああまり使われていない形式だったので48Vファンタム電源に改造してあります。私が購入した時点で既に随分と時間が経っていた物でしたが、音が素晴らしくて今までずっと使っています。ガンマイクなので指向性は超指向性です。マイクの振動板は中央付近にあります。両脇にはスリットが切られていて、ここに音が収音されていく仕組みになっています。
 
 風が全くない時や、スタジオの中などではこのように何も着けないで使っても良いのです。音が一番良い状態でしょうね。ただし、ご覧のとおりむき出しなので怖いですね。当然風には弱いんです。
 
 だいたいこのようなウインドスクリーンを着けて使用する事が多いんです。部屋の中、スタジオなどではこのようにしています。もちろん外で使う事も出来ますが、風には未だ弱い状態です。
 
 外ではこのようなライコートを付けて使用します。当然高い方の周波数は落ちます。ある程度の風にはこの状態で対応できますが、風速3m以上になると若干吹かれ始めてきますね。
 
 そこで最終的にはウインドジャマーを付ける事になります。この毛の部分で風の吹かれを低減する事が出来ます。私が所有している物では風速10mくらいまでは使用に耐えますが、それ以上の場合はもっと毛のふさふさしているものがあるので、それで対応していきます。それでも15m位が限界ではないでしょうか?
 大体外での収録がある場合はウインドジャマーを最初から装着して仕事をする事が多いようです。ですがウインドジャマーはかなり高域が落ちますので、音的に良いとは言い切れません。ですので風の大きさによっては外したりした方がもっと良い音が録音できるはずです。
   

2、ガンマイクの面白いところ
先ほどもいいましたがガンマイクにはスリットが付いています。このスリットの方向で音の収録の仕方が変わってきます。

 
これは通常の状態で横面といわれています。キャノンのコネクターを普通にさすと横面になります。ちょっと斜めにみてみましょう!
 
こんな感じになりますね。これは横方向にスリットが切られているので、音の収録の方向もマイクの正面に対して縦方向より横方向のほうに指向性があります。
 
次にマイクの付け方を90°ずらすと縦面になります。これも斜めから見てみると・・・
 
これもこんな感じですね。今度はスリットが縦に付いていますので上下方向に指向性がありそうです。実際に波の音で実験してみましょう。
 
 
聞いた限りはあまり変化は感じられませんでした。
 
 
 
 今度は迫って来るヘリコプターの音に対して空にガンマイクを向けて狙ってみると音は歴然と違ってきました。上に向けて横面と縦面では、私は縦面の方がヘリの音がシャープに感じられました。狙いがはっきりしているので、横面縦面ではambienceの感じが大幅に変わりました。この場合は波の音の音質変化により、ヘリの音がどれくらい聞こえるかで変わるようです。どちらにせよこのスリットの方向性はかなり録音、と言うかfield recordingに際してはかなり重要なpointであることがわかってきました。どう言うことかといいますと、狙っている音とそれ以外の状況音のある状態で、スリット面を工夫することで、ある程度欲しくな音は減らせるのでは?ということです。現場についたらまずambienceの方向性をつかみ、それを元にマイキングをしていくことになりますね。ただ正面を漠然と狙うのではなく、意図をもってマイキングすることにより、さらに目標の音を含めた立体的な音作りが出来るようになっていくと思います。
   
3、マイクと対象物の距離を考えてみましょう
 マイクと対象物との距離関係はかなり重要です。これを間違えると思った音とは違う感じに録音されてしまいます。
 
 まず波打ち際まで16mで狙ってみます。まあ十分に波らしい音になっています。しいて言えば波の泡の粒立ちまでは聞こえませんでした。全体の感じとしては波以外のambienceも十分拾っていて、誰が聞いても波の音の録音をすることができると思います。ではもう少し近づいてみましょう!
 
さて先ほどより距離をつめてみました。実際に耳で聞くよりマイクで拾った音はかなり近くに聞こえてきました。マイクの高さは堂でしょうか?
 
多少は聞こえ方は違いますが、劇的に何かが変わった感じはしないですねー。ではもっと寄ってみましょう!
 
 
 
ここまでくると、当たり前ですが相当にONな感じがします。いろんな角度で聞いてみました。波打ち際の色々な音が入ってきます。特に波の泡の音はかなりリアルな感じです。ですが、実際に聞いてみた音とマイクに入って来た音はけっこう違ってきます。いってみれば虫眼鏡でみたような感じというか、私はON過ぎる感じがしました。
 
時々ヘッドフォンははずして生の音を確認しましょうねー。
 
当然音は全然違って聞こえます。low angleは本当に迫力満点です!
 
丁度ボートが通りました。漕いでいる人の声は聞こえるんだろうかとマイクを向けてみたら、意外と聞こえるんです!多分50m以上は離れているんですけど、結構外では聞こえてきますねー。
まあ基本デッドなので変に響かないから聞こえてくるのかな?とも思いましたが、ガンマイク自体が結構性能は良いんですね。実際に耳で聞いた感じと同じ感じで聞こえていました。
   
1、結果
 皆さんいかがでしたか?本当は実際に音を聞いてもらうと分かりやすいのですが、これを参考にいろいろ試してみて下さい。最後にもう一つ実験をしてみました。外で声を狙うのに、どのようにねらったら良いかを実験します。ガンマイクは真中に振動板があるので人物にマイクを向けたとすると、すこし下方に角度を付けて狙うのが一番面があたる(onに聞こえる)といわれていました。この話がちまたでは一人歩きしていて、大体助手の向け方を見てみるとマイクが下がっています。今回改めて実験してみましたが、上から狙った時は有る程度この通説は正しかったのですが、板から狙った時はこの限りにあらず、ということがわかりました。下からですとわりとマイクの正面で口を狙った方がONになります。
 
 
上の写真と下の写真では距離が30cmほど違います。下からのほうが上からより30cm遠くから狙っている、という感じです。ですがONに聞こえるのはどちらも同じくらいだったのです。あらためて実験してこの結果はけっこう衝撃的!ただし下からは縦面です。やはりスリットの使い方は相当重要ですねー。上から狙うのでも場合に依ってはマイクを正面からむけたほうがよい場合も出てくるかもしれませんから、常識といわれていることに耳をむけるより、実際に音を聞いて確認したほうが良さそうですねー。
 ということで今月はこれで終わります。皆さん寒い冬ですが、field recording頑張りましょうねー。
 
 
 
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