AO FILED RECORDING GUIDE-9

さて今回は今年の締めとして「Feld recordingの心得」を書いてみようと思います。

1、自分の機材を習得しよう!
 今年はhistoryから始まって、いろんな事をざっと書いてきました。まあこれを読むだけで皆さんはかなりのfield recordinistになっていることと思います.fieldの基本の一つである機材をもう一回考えてみましょう。

 私は現在PD-6とPD606の両機種を使っております。これを使いこなすには、それぞれの個性をしっかり知っておかなければなりません。自分が使う機材なので知ってて当たり前でしょう?とおっしゃるかもしれませんが、意外と盲点もあったりするんですよねー。そういう所を知らなかったばかりに、fieldを失敗する、なんてこともあるかと思います。

 機材には癖が必ずあります。使い勝手や音、そして視覚的な要因も重要なことです。まずもっとも重要な事は、HA(head amp)とレベルの関係です。これは音質等にも関係があります。そしてレベルメーターの関係性。現在はVUメーターはほとんど無いのでPeakメーターが主になっていますよね。Peakメーターは動きがとても細かいので、振れ方と音の関係をしっかり把握しておかないと録音を失敗する事になります。まあ対象となる音とレベルそして振れ方をある程度ジャンル分けしておくほうが良いでしょう。恐らくほとんどの機材のメーターはデジタル上でのFull bitが表示がされていると思います。前からもお話していますが、なんでもFullに振らせれば良い、という神話みたいな考えは捨ててください。自分のイメージにあったレベルを考えてください。例えば雨の音。これをFull bitで録音してみてください。おそらく限りなくホワイトノイズに近い物が録音されると思います.セミやスズ虫の声もそうですね。とても不思議な音になっていると思います。

 Fieldではいろんな条件で録音が行われます.常に良い状態で機材のメーターやツマミが見れる、ということはあまり考えない方が良さそうですねー。HAのレベルをいじる為のツマミの位置も体に覚え込ませておきましょう!もちろんそれらの配置もしっかり覚えておきましょうね。ヘッドフォンのボリュームの位置も大事です。これによりオーヴァーレベルや小さすぎたり、を回避できますね。

2、Field recordingの命、ヘッドフォンをしっかり選ぼう!!
 よく機材を選ぶ時に「いやーなんかあの機材ヘッドフォンの音が悪くてさー」なんて声を良く聞きます。これはまったく間違いで、ちゃんとしたヘッドフォンを聞いた事が無い事からくる言い訳です。ヘッドフォンアンプは機材毎に合っているアンプを使っています。いつも聞いている良い音ってなんでしょうね?場合によっては色々な機材の音を聞く事もあるでしょう。例えば自分の機材で音をcheckした後、その音をVTRに送る場合、相手側の音もcheckしなければならないですよね。その時にVTRのヘッドフォンの音が悪い、といっていたら全く仕事にならないわけです。ですので、まずは自分の機材に合わせてヘッドフォンを決める方が正しいかもしれません。その状態を自分の初期設定として、他のいろんな機材の状態を判断したほうが、賢いでしょう。

 fieldでのヘッドフォンはstudioなどで聞いている状態のものと大きく異なります.またいろんな自然条件もありますので、注意が必要ですね!基本は入力が大きくて、出力も大きいものが望ましいです。また周波数特性も下から上まで、フラットに伸びている物が嬉しいなー。まあ世の中の良いとされているヘッドフォンは割と音が小さい物が多くて、fieldにはなかなか適さないと思われます。特に低域の解像度が悪い物が多いですねー。fieldではambienceのLOW成分がかなりありますから、これに惑わされて録音が失敗、なんていう例はとても多いんです。今はdigital収録なのであまり強烈なLOWは最初から入りにくいのですが、私が未だ使っているNAGRAのようなアナログレコーダーは不用意なLOW成分により全てが歪んでしまう、という事がよくありました。例えばバスの中で会話を録音する、なんていう事があるとします。普通のヘッドフォンではエンジン音のうなりのLOW成分は(20-40hz)よくわからないので、LOW CUTもせずに会話を中心にレベルをとったとします。これをあとで聞くと、ほとんどLOWで歪んで使い物にならない場合が多いです。まあそんな例もあるので、LOWがしっかり聞ける物が望ましいです。

 私もいろいろ失敗を繰り返しながら発見したのがDJ用のヘッドフォンです。DJ用って音悪いんじゃないんですかー?なんて声が聞こえて来そうですねー。たぶんDJをやった事がない人はよくわからないと思いますが、DJは本当にヘッドフォンが命なのです。
CLUBとか野外とかあらゆるところでDJをしますので、これがしっかりしていないと全くDJにはなりません。いずれにせよsub
woopherがしっかりなっていますから、そのヘッドフォンはLOWがしっかりきけるものでなくてはなりません。なおかつ周波数特性が広い物ではないと、いろんなジャンルのDJはできません。electronicaなどのジャンルは非常に繊細な音が中心なので、爆音のなかでこの音を判断しなくてはならないんです。ということで私実際にDJをやってますので、これはfieldに使えるのでは、という判断で使っています.PD-6、PD606とも出力は200mW(32オーム)ですので、まあ十分な音量が確保されています。まあまず選ぶ基準は入力が200mW以上になるでしょうねー。わりとこれ以下のものが多いんですよねー。あとは出力音圧レベルが大きいものが良いですねー。DJ boothのなかのmonitorはけっこうでかい音でなっているんです。場合によっては100dB超える場合もあると思うのですが、こんな中でも聞けるもの、が良いですねー.ちなみに私が選んだものの特性をご紹介しますと、最大許容入力は3500mW(36オーム)、出力音圧レベルは105dB/mW、周波数特性は5-33000Hz、なんと理想的でしょう!まあ音を上げすぎて耳を壊さないように注意が必要ですね.皆さんも頑張って選んでくださいね.
 
3、機材をいれるcaseをしっかり選びましょう!
 大事な機材ですのでしっかり保護してfieldに出たいですよねー。そこで重要になってくるのがcaseです。ハードカバーにすれば機材は保護できますが、これでは持ち歩きに不便ですよね。そこでsoft caseがfieldには合いそうですね。このcaseですがなかなか良い物がないんです。そこでよく業界で使われているのがPORTA-BRACEというメーカーのものです。とてもいっぱいいろんなcaseがありますので、用途に合った物を選べますねー。ちなみに私が使っているのがこちらです。
 まあどちらにも使えますが、いまはPD606が入ってます。
 こちらにはPD-6が入ってます。電源なども入れられます。まあ通常はバッテリーやワイヤレスの受信機なんかを前のポケットにいれますね。もちろんポケットの両側とかにはベルクロでふさげるようになった口がついていて、マイクケーブルなんかをつけています。
 PORTA BRACEは持っている機材に近いsizeものもを選べば快適に使えます。基本はショルダーベルトタイプですが、ハイカータイプのcaseもあります。ただし山などに持って行くのであれば山用のショップに良い物が安くて手に入ります。
 
 これは屋久島での一場面。マイクはカメラの三脚を使用し、ガンマイクを4本使いました.こんなところに登るにはザックが必要です
 
 私の定番SETです。全てオレンジ色のバックに入るんです.もちろんCABLEも。いろいろいれると20kgくらいになりますね。特に登山とか行う場合は専用のcaseの方がバランスが良い物が多いですねー。いずれにせよ、探せばいろいろありそうです。
   
4、機材はどのようにして置きますか?
caseに入れた場合はfieldの場合は地べたにおいたり、なんか近くの木の根っこにおいたりいろんなcaseがあります。
 

これは砂浜に直接置いた例。これでも十分ですが、もし何か持っていける場合はそれを使う事により、機材を保護できます。まあこれもアウトドアショップにいくといろんな物が有ります。使いやすいのがキャンピングテーブルですねー。これにはいろんなsizeのものがありますので自分に合った物を探すのが良いでしょう!ちなみに私のよく使っているのがこれです。

 
これはliveとかでも使っているのですが、もう6年目ですけど壊れません!ものすごく強い。下の段にplay back用のpower ampを積んだ事もあります(17kg)。折り畳んで持ち運べます。
 
もう一つはこれ。まあ最終的には足がぐらつきましたが、mogari movieの撮影のとき90日これを使いました。いまは足をつないでない状態、いまでも室内での録音に使用しています。

後参考までに、もっと本格的な物もあります。cartと呼ばれる物で、ちょっと大きいですがいろんな物を乗せたままで運ぶ事ができます。有名なのがBackstage Equipment.incのものです。よく撮影で使われています。私がCM、映画の撮影では使っているのはMAGLINERとよばれているものです。
 
5、イメージを大事にしよう!
 さて機材の説明をしてきましたが、次はfield recordingでもっとも大事なイメージの話をしましょう。field recordingの目的は大まかに2つに分けられます。まずは自分が録音したい音を録音する。もう一つはオーダーがある音を録音するということです。最初に後者から説明をしたいと思います。オーダーがある、ということは例えば映像の仕事ですと「こんな映像にあう音を付けてください」ということですよね。監督のオーダーだったり、クライアントのオーダーだったりいろんなケースがありますね。まずはこの写真を見てください。
 
朝日です。冬です。どんな音が想像できますか?
 
あれた海です。どんな音でしょう?私はこの日は海に入れませんでしたが、なんとなく想像はできます。
 
なんか音が聞こえてきそうですねー。サラサラ、、、、とか。
 
これなんかどんな状況???うーんわからん。
   
以上オーダーはいろんなものがあります。通常は実際に場所、季節、時間を聞いて、まず現地にいってみます。これがfield recordingの基本、リアリズム追求ですね。ただ、もう時期が違っていたとか、絶対に仕上げなければならないとか、条件によっては録音しにいかなければなりません。しかしその場所がもの凄く遠かったり、時間がなかったりした場合は、どこかで録音して仕上げなければなりません。そんなときでも安易にsampling CDに走らず、どうにか外で録音してみましょう!!こんな時にイメージが重要になるんです。大事なのは、いかにいろんな場所での音を録音した事が有るか、もしくは知っているか、になります。いままでの経験のなかから想像力を働かせて音を録音し、仕上げます.映像から感じられる事、これはとにかく重要です。まあとにかく録音しにいきましょうねー。
   
6、最後に
 今年一年間お付き合い頂きまして本当にありがとうございます。まだまだ伝えたい事は山ほどありますが、今年一年間のコラムということで今回が最終回になります。皆さんの要望の声が有れば来年も継続する方向でフォステクスさんには検討してもらってます。またお会いできたら嬉しいです。

今年はPA63本、自分のLIVE42本、イベント関連は100本を超えました。なんか凄まじかった一年でしたが、得る事が多かったです。来年は自分の企画を大事にsurroundのeventなどをやっていきたいと考えてます。
とにかくfield recordingは根気です。そしてsportsと同じようにやればやるだけ結果がかえってきます。皆さん、どんどん外に出ましょう!これから空気が澄んで来る冬です。良い音録音できますよ!

それでは、皆さん良いお年をお迎えください&年明けに読んでいる人へは a happy new year!!

 
 
 
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