AO FILED RECORDING GUIDE-6
Topic 9/13 TMUG Bridge at Super Deluxe
tokyo max user group主催によるbridgeというeventです。ここで私の知り合いのevalaさんが初めてsurround作品を発表する、ということでかなり前から準備をして望みました。今回evalaさんのsetはPCを2台使ったsystemで、1台はfl/fr/sl/sr、もう1台は6outを使います。本当は細かく18chを使ってもいけるのですが、制作にはものすごく時間がかかるし、細かすぎると伝わりにくいという私の判断もあり、天井スピーカーを6ブロックに分けて鳴らす事にしました。
天井の6ブロックに近い場所には響きをフォローする為にFOSTEXのパワードモニタースピーカーNF-4を6本スタンドに立てて設置しました。天井用の6chは効率良く鳴らす為にデジタルミキサーDM1000に一度入力し、280Hz以下をcutしたサウンドを天井スピーカーに送りました。ここには低音の成分も入っており、これからmainのsub woopherを鳴らすためDM1000にパラでチャンネルを作り、85Hz以上はcutしたサウンドをmainにアサインしました。まあ空間が離れているのですが、ノッチフィルターで切っているわけではないので、大まかに上と下がクロスするところを現場で探してsettingしました。あとはNF-4のレベルを細かく調整し、全体を鳴らして調整。evalaさんと一緒にじっくり調整し、本番にむかいました。5/12に私がやったsurroundとは全く方向性の異なるsurroundの手法はとても勉強になりました。 Macを知り尽くしているevalaさんならではの音の細かい動きは、私には到底まねはできません。しっかり天井のspを鳴らしたeventは、もしかしたら初めてだったかもしれませんねー。実際には音を是非聞いて欲しかったなー。聞かれた人はいかがでしたでしょうか?感想を聞いてみたいです。
録音はフォステクスのレコーダーDV824を2台syncさせました。使い勝手がPD606と一緒なので使いやすかったですね。個人的には24トラックのD2424LVが欲しいですね。まあそんな感じです。
ちなみにSuper DeluxeのsystemですがMAIDASのdirect outが24ch分3台のDV824につながっていて、そのoutが天井sp用のinterfaceにアナログ入力されています。是非みなさん使ってみてくださいね。
会場の様子はこちら(外部リンク)
--------------------
1、車の音を録音する
まあ車といっても色々な録音のケースがあります。例えばサーキットでの録音のお話をしてみましょう。録音する前にはいつもそうですが必ずロケハンをしましょう。よくドライバーが走る前にコースを歩いてcheckする、といいますが私も同じ事をします。練習走行がない日や時間帯を選んで許可を得てからコースを歩きます。大体2〜5kmありますので、まあ普通にあるいたら1時間程度はかかりますので、2時間から3時間の許可がもらえたら、ほとんど歩ける事になります。ここで注意したいのはサーキットの路面は一般の道とは違って抵抗が多いので意外と疲れます。なるべく軽めの歩きやすい靴が望ましいです。さて実際に歩いてみるわけですが、結構広くて見当がつかないと思いますが、細かくコーナーの角度やストレートの長さなどをみながら、この辺に置いたらどうだろう、と想像しながら歩いて行きます。いくらgreenが広いといっても、そこにやたらにマイクを置く事はできないので、そんなことも想像しながらcheckしていきます。ここで立ち位置等をcheckしていきますが、このロケハンはコースを良く知っている人、もちろんドライバーの方が一緒に回ってくれるのが望ましいですが、慣れている方に一緒に回ってもらいましょう。そうするとここで何速、ここで加速してなどなど細かい情報がさらに手に入ります。
次にもしサーキットが貸し切られていたら、実際に走ってみましょう。というかドライバーに添乗してみましょう。当然外音だけではなく走行音も録音したい場合には重要ですよね。さきほど歩いてチェックしたポイントを中からもチェックします。実際に乗ってみるとわかりますが、私達が想像しているスピードの感覚とは全く違いますので、それにのまれないようにしましょうね。前だけ見ているとほぼ目が回ってしまいます!ドライバーの視線をみて、まねしてみると意外と大丈夫なことがあります。何周かまわるうちにポイントがわかってくるので、覚えておきましょうね。もちろん中でメモをとることは不可能ですので・・・。
2、ストレート
やはりサーキットだったら一番スピードが出るグランドスタンド前のストレートの音は録音してみたいですよね。当然音圧も高いし、レベルも大きそうなので確認しておきたいところです。大体サーキットではin側がピット、out側がグランドスタンドになっているところが多いです。このどちらでとるかで当然音は変わりますので各々の場所で聞いた方が良いでしょうね。
さてマイクですが、何が良いでしょう?何でも良いかもしれませんが、まずはガンマイクでしょうか?車によりますが、音圧レベルが車の場合は高いのでPADが重要になってきます。出来る限りマイクでクリップしないようにしたいものですが、ガンマイクの場合は割とクリップが早いですね。歪みやすいのと指向性が狭いのでストレートはなかなか難しいです。しかし録音できないということはありません。車が走行するラインとマイクに位置を十分とれば大丈夫です。
ダイナミックマイクですが、私の大好きなSM57はどうでしょうか?結構音圧には強いし、いいのでは?と思ってしまいます。私的にはこれは良いと思います。歪みにも強いので、かなり迫力ある音がとれます。ただlow cutしてしまうと(mixer側で)けっこう音が変わるので、状況にも寄りますが、なるべくcutしないほうが音は良いですね。
DPA4009はどうでしょう?無指向性のマイクは基本的に風の吹かれとかに強いので録音しやすいかもしれません。なるべく音圧が高い仕様のものなら歪まなくていいかもしれないですね。ということでマイクはこれが良い、というものはないと思います。いろいろ試してみてください。
さて録音で重要なのはダイナミックレンジですよね。できるかぎり大きく取りたいと思うでしょう。ですので実際に録音したい車に本番の状態で走ってもらってテストします。ここで録音機の最大録音レベルを設定します。これでOK!というのは全く間違いですねー。実際に録音してみてください。そして現場ではなく静かなところでチェックしてみてください。おそらく通り過ぎる瞬間だけ音がして前後の雰囲気がほとんどわからない音が録音されているはずです。
ここで先月のSLの事を思い出してください。やはりここでもある程度の手コンプの作業が必要になります。車が通り過ぎる迫力のある音を出すには、手前からの迫って来る音がしっかりとれていないと迫力が出ませんねー。という事はやってくるまではレベルをあげて通り過ぎるときには最大六音レベルに戻してやり、通り過ぎたらまたレベルを上げて行く、という方法が良いかと思います。まあSLのときでも書きましたがambienceのレベルが当然変わりますので、その具合は調整します。もし2台で録音できるなら、1台は手前用にある程度レベルを上げたもので録音し、あとでmixするのが良いかもしれません。1台しかない 時は録音の用途を考え、level fixかいじるかの判断をその場で行えば良いですね。まあ何事も無理しない方が良いです。必要ならcomp/limの使用も私は有効だと思います。
3、コーナー
漠然とコーナーと書いてしまいました。迫力のある音を録音するにはなるべくコ−スに近くに置きたいものですよね。ですがなかなか危険なので寄せる事はできないかもしれませんね。ここで有効なのはステレオマイクです。ほとんどのステレオマイクは角度調整の機能を持ったものが多いので、録音する場所によって角度を変えてみるのも有効です。場合によっては手持ちしてマイクを振ってみるのもおもしろいかもしれません。スキッド音を狙うなら、なるべくマイクの位置を低めにする方が良いです。さらにもしかしたら何かあって踏まれてしまうかもしれませんが、コースのinsideぎりぎりに小さめのマイク(無指向性)をsetするのもよいです。このコーナーでも同じですが、手前の音が重要になってきます。もちろんコーナーを抜けた後も重要ですので、必要なら手コンプします。
4、車載音
車の中で走行音を録音する事を車載の音を録音する、といいます。この車載音は主に室内、エンジンルーム内の音になります。まずはエンジンルーム内ですが、当然エンジンの音を録音するのでエンジンに近いところにsetします。が、高温のためなかなか近くにはsetしにくいものです。上手く付けられればボンネットの内側に貼付けます。貼付ける場合は普通のビニーリテープやガムテープでは溶けてしまいますので、耐熱力の高いもので貼付けなければなりません。これはホームセンターに行くと色々な種類が売ってますので試してみましょう。
実際につけるマイクは小さいもの、ピンマイクが中心になります。ボンネットのセンターはかなりの高温になるので、わりと室内に近いところ、つまりボンネットの付け根あたりに置いた方が安全かもしれません。cableの配線も複雑になりませんしねー。ピンマイクはなるべく音圧が高めの物を選びましょう。ただしエンジンの音は急激な音圧変化が少ないので割と録音しやすいかもしれません。今は少ないですがキャブ仕様の車なんかは、私のようなおじさん世代にはたまらない音が録音できます。
室内ですが、可能なら添乗して録音しましょう。しっかりレベルを維持して録音した方が迫力がでます。ただしずっとレベルメーターなどを凝視していると、必ず吐き気を催しますので要注意です。時々ちらちら見るくらいにしましょうね。添乗音の録音のこつは、視聴者がまるでそのなかにいるような音を録るのが大事なので、テストの時に録音して静かなところで確認して本番に臨みます。車内はかなり低いlow成分の音が多いので、記録するものによっては低音で歪んでしまう事があります。 これをなかなか聞き分けるのは難しいですね。できるかぎりlow成分の音が聞きやすいDJ用のヘッドフォンを使ってみるのも大事です。
機材は車のGに簡単に動いてしまいますから、なるべく自分で持つ事です。そして固定には十分な注意を払ってください。日本にはちょっとしたグッズが少ないのですが海外では結構いろいろな機材の固定グッズが売っています。location sound,cofe soundなどに行くと(ロス)いろいろ売っています。カタログを取り寄せて選ぶ事もできますので、取り寄せてみるのもおもしろいです。あーこんなのあるんだー、便利!というものも結構ありますよ。
5、最後に
色々と書いてきましたが、やはり色々やってみて!としか言えないですね。頑張って録音してみてください。
今回はサーキットのことしか書けませんでしたねー。他はまたの機会にかきますね。
私的に絶対かなわなかったことが今までにあります。ある峠に撮影に出かけたのですが、当然カメラもあって、そこにはカメラマイクがついていて録音モードはオートになっていました。そこで私は別にDATをまわして大好きなRMS190で録音していたわけです。あまり手コンプも使わずに普通に録音していました。
さて仕上げになったときoff lineを見た時にものすごい衝撃が走りました。off lineのvideoにはものすごく迫力のある音がしっかり録音されていました?!自分の録音した音はとても綺麗には入っていましたが、あまり迫力のあるものではありませんでした・・・。あきらかに VTRのカメラマイクが良い音がしていたので、MAの時にはカメラマイクの音をほとんど選んで使いました。VTRのautoは強烈なcomp/limの設定になっています。ので弱い音は思い切りreberuが上がり強い音に対しては強烈なlimがかかり、通り過ぎるとまたcompによりレベルが上がって行く。全体に音がノーマライズされている状態に近いんです。この音には私は負けました。自分がしっかり手コンプをしていれば良い音が録音できたかもしれないのに、少しその努力を惜しんだため機械に負けました、という感じでした。
あーやはりどんなときでも気を抜かずに仕事をしなければ、と思いました。でも使い道によっては全然OKだなーと感じた時でもあったのです。道具はつかってなんぼ、ということですねー。そんなことでまた来月!!