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【W160A-HR+T250A 推奨ネットワーク】

2025.12.24
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W160A-HR+T250A 推奨ネットワーク

このネットワークの構成は、2018年5月から2019年3月にかけて開催されたフォステクスとエクスペリエンスの共同プロジェクト「FOSTEX 6.5” 2way Project」の開発過程において、試聴と測定を繰り返す検証の結果、導き出されたものです。

※本構成はあくまで一例として紹介するものです。スピーカーの設置状態、室内の音響状態、お聴きになる音楽の違い、嗜好によって変わりますので、必ずしも本内容に準拠する必要はございません。参考としてご活用いただき、環境やお好みに合わせて調整してください。
また、同一の定格値であっても、部品メーカー、シリーズの違い、コイルであれば線径、コンデンサーであればパッケージの形態により、音響特性は異なることもございます。

ツィーター(TW)に直列接続するコンデンサーについては、フォステクスのG / GX シリーズで使用していた素子と、同一メーカー・同一シリーズの部品を選定しています。
ただし、これらの部品は現在一般市販されていないため、お客様におかれましては別の素子を選定し、ご使用いただく必要があります。コイルについても同様です。

このような背景から、このネットワークは推奨例として公開し、製作時の指針としてご活用いただくことを目的としています。
あわせて、使用素子についても、将来的にアクセサリーとしてご入手いただけるようにすることを検討しています。


ネットワーク構成と位相特性について

バターワース型やリンクウィッツ・ライリー型などの二次フィルターでは、クロスオーバー周波数において、ローパスフィルター(LPF)は −90 度、ハイパスフィルター(HPF)は +90 度の位相シフトがそれぞれ発生します。
その結果、両者の間に 180 度の位相差が生じるため、一般的にはツィーター側(HPF)の出力極性を反転させる必要があるとされています。これは電気的な理論に基づいた考え方です。

一方で、実際に私たちが聴く音は、ウーハー(WF)およびツィーター(TW)の振動板からの直接音に加え、エンクロージャーからの放射音や室内の反射音などが空間内で合成されたものです。
また、周波数が高くなるにつれて振動板はピストンモーション領域を超え、分割振動を始めるため、音の振る舞いは電気信号の位相と必ずしも一致しなくなります。

このような特性から、WF と TW の接続極性については、電気的な考察だけではなく、実際の試聴結果もあわせて確認することで、より適した状態をお選びいただけます。
本プロジェクトでは、WF を正相、TW を正相・逆相の両条件で試聴および測定を繰り返し実施し、その結果を踏まえて、推奨ネットワークおよび接続極性を決定しています。

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